マーレンと雨姫

体育館のフロアーに舞台を組んで子ども達の目の前で演じます。雨姫様や火の玉おやじなど人間と精霊がいっしょに暮らしていた頃のお話。 6人の旅の一座による生演奏のお芝居をお楽しみください。

二人の子どもから子どもたちへ

マーレンと雨姫メイン画像

   この物語は19世紀にドイツの作家シュトルムによって100年前のお話として書かれましたが、当時の時代背景がよくうつし出されています。世の中はしだいに貨幣経済の考え方が広まってきており、科学の進歩や産業革命によって合理性や便利さが追求されていました。自然を畏れ、豊かなめぐみを願って神や精霊達に語りかけ、祈り、祭りをすることが異端として、迷信として、遠ざけられるようにもなっていました。人々は大きな曲がり角にいたのでしょう。

   そんな時代背景の中、物語はマーレンとアンドレースという二人の子どもを中心に進んでいきます。日照り続きの村、畑はカラカラで食べるものは取れず、羊の食べる草もないので生活の手段はうばわれていく…そんな中で「子どもの感覚」そのままに皆の幸せを願い、自然と世界との行き来を信じ、二人の子どもは冒険の旅に出かけます。「雨姫さまが眠っているんだもの、だから起こしに行くのさ」と。

   二人の子どもが導き出すこの物語は、極端に小さな灯りがともされるようにも感じます。私達は今一度、子ども達の「本当のことを求める力」(ありのままの姿)を信じたいと思うのです。いつの時代でも変わらず子どもは自らの力で幸せをつかもうとする存在だから、2011年の東北大震災や「フクシマ」は、人間が追い求めてきた道をもう一度見直すきっかけとなりましたが、私達が忘れかけている「何か」をマーレンとアンドレースは語りかけてくれている気がします。

   「子ども衆なら信じてくれるさ。」

   今日も6人の旅の一座は子どもたちに物語を語ります。

原作  テオドール・シュトルム
     「たるの中から生まれた話」より

   マーレンとアンドレースのくらす村では100年ぶりの暑さが続き、この3年ほど雨らしい雨がなく、畑の作物も育たず牛や羊や人間も水がほしくて息もたえだえです。

   マーレンの父さんの畑は水たまりだったおかげで、この天気でほどよく乾いて、青々と牧草が茂り、今では大金もち、日照りさまさまです。

   アンドレースのおばあちゃんから雨姫さまが眠ってしまっていると聞いたマーレンはアンドレースと一緒に雨姫さまを探しに出かけます。焼けつくような地面から二人を邪魔しようと出てきたのは火の玉おやじエッケネッケペン!アンドレースは智恵をつかって火の玉おやじから、雨姫さまをおこすおまじないを聞き出します。

   雨姫さまはフタがしっかり閉じた井戸のそばで眠っていました。

   でもあたりは火の海です。アンドレースはマーレンを背負って火の海を渡ります。

マーレンと雨姫舞台画像1

マーレンと雨姫舞台画像2