うしろの正面なあんだ

目を閉じて後ろの子は誰かな、と友だちの気配に集中するように、子どもたちの周りにあるものを全身で感じてみよう。言葉、色、音、など、わたし達の周りにあふれていて通り過ぎていくような物たちをつかまえてみようとこのお芝居を創りました。

子どもたちの力を信じて

   『うしろの正面なあんだ』を1992年につくったときは、「言葉にできないけれど確かにあるもの」を、子どもたちと出会いながら一緒に探り、表現してきました。からだ全体でイメージを表現すると、子どもたちは、やさしい感じ、暖かい感じなど、説明では伝わらないいろんな感じを受け取ってくれるようです。言葉や身の回りのものにどんどん興味がわいている年長さんはもちろん、0、1、2歳の子どもたちも何かを感じ取ってくれる劇です。カナダのバンクーバーフェスティバルでは、外国の子どもたちに言葉を越えたものが伝わったようでした。

   2015年、これまでの幼児向作品づくりで得たものをもとに再度『うしろの正面なあんだ』をつくりました。

   今、子ども達を取り巻く社会のスピードが、ますます速くなっています。「なんだろう?」と思ったことを、「こうかな?」と考える暇がなく、ポンパッと正しい答えを出さなければならないような忙しさは子どもの世界にも及んでいます。

   子どもたちが本来持っているリズムとはどんなものなのでしょう。もしかして、それは最も自然に近いリズムではないでしょうか。

   ちょっとヘンテコでもカッコ悪くても、子どもたちが自分で感じて出した表現はピカピカに輝いています。自分で出した答えはその道のりがおもしろく、正解よりも私たちの心を豊かにします。

   今の子どもたちが遊びや暮らしの中で、いっぱい試して失敗もして自分の力にしてほしい、元気な子どもたちが元気な大人になってまた子どもたちを育ててほしい、そう考えてこの劇を届けます。

●  いろ・いろいろ遊び

みどり?色のイメージ広がれ、広がれ。

●  しんぶんし

しんぶんしから生まれた小さなウシ君、いろいろな動物に出会います。

●  ダンボール

かぶってもぐって、ちぎってたたいて、ダンボールは友だち。何かおはなし出てきそう。

●  ことばあそび

オオキイ・チイサイ・フトイ・ホソイ。身体全体でことばをつかまえてみる。

うしろの正面なあんだメイン画像

うしろの正面なあんだ舞台画像

しんぶんしひらひら

うしろの正面なあんだ舞台画像

そっと聞いてみよう、いろんな音を

うしろの正面なあんだ舞台画像

ことばあそびはからだあそび